こんにちは、パフォーマンスラブリーのCoco(@performancelovely)です。
今回は実は機内で倒れてしまう方が少なくない、そんなお話です。
フライトをしているとさまざまな事件に遭遇するものです。
私Cocoは自称「イレギュラーのない人」なので、あまり事件には遭遇しないのですが、それでも機内で突然倒れてしまうお客さまは珍しくないという印象です。
飛行機に酔ってしまい少々気分が悪い、そのようなお客さまは日常茶飯事でいらっしゃるのですが(これはどのフライトでも存在する感覚)意識を失って倒れてしまう方も結構いらっしゃるのです。
私もCA(キャビンアテンダント)になりたての頃は驚くと同時にかなり動揺していました。今もあまり変わらないかもですが。
でもご安心ください!ほとんどの方は少し横になっておやすみになるとすぐに回復されます。
そしてこれは他人事ではないのです。
ほとんどの方が「こんなことになって自分がいちばん驚いている!」そんな反応なのです。
私は貧血持ちじゃないから大丈夫?
いえいえ。機内の環境を甘く見てはいけませんよ。
この記事ではあなたにも起こりうる機内での貧血について、実体験をもとにその対処法もお伝えします。
ぜひ最後までお付き合いくださいね。
貧血とは病気の名前ではなく、なんらかの理由で血液が組織に十分な酸素量を届けられなくなった状態を指します。
機内は特殊な環境
飛行機の中はご存知のように気圧の差があり、地上とは違った環境なので注意が必要です。
あなたも機内で未開封のポテトチップスの袋が膨張して、パンパンに膨らんでいるのを見たことがあると思います。
そう、あれが気圧の差によるもので、自分の体にもなんらかの影響が出るとしても不思議ではないと理解できますよね。
空の上の環境をあなどるなかれ。
この特殊な環境にちょっとした体調不良などが重なって、倒れてしまったりするわけです。
- アルコールの飲酒
- 疲れ
- 寝不足
- 低血圧
などなど
機内での体調不良(貧血)はだれにでも起こりうるのです。
先日もフライト中に【事例紹介】
つい先日もフライト中に倒れてしまった女性がいらっしゃいました。
トイレに立とうとして•••
その方もあとでお伺いしたのですが、少し気分が悪いのでトイレに行って様子をみよう、と席を立たれたそうです。
ちょうどサービスもひと段落し、私たちCAも交代でギャレーで休憩を取っているタイミングでした。
ギャレーのカーテンを閉めようと振り返って客室を見たそのとき、まさにその女性が通路で意識を失って倒れる瞬間でした!
あ!倒れる!
あわててそばにいたCAとふたりでその方のところへ駆け寄ります。
まわりのお客さまもかなりびっくりされたご様子で、でもただただ傍観者になっています。
なんとかギャレーに運ぶ
意識がない方って本当に重たいのですが、なんとかCAふたりでギャレーまで、そのお客様を移動させました。これぞ、火事場のなんとかです。
- 意識はある?
- 脈は?
- 呼吸はしている?
- 倒れた際に頭などは打っていない?
すぐにこれらを確認するのですが、呼びかけにも応じず意識がない模様。
これは大変!とすぐにドクターコールで医療従事者の方の援助を求めます。
同時にもちろんほかのCA、パイロットにも連絡をします。
ドクターコールをするか否かは客室責任者の判断ですが、判断基準として意識がない場合は即ドクターコールになると思います。
CAは簡単な応急処置ができるくらいの訓練は受けていますが、医療従事者ではありません。
機内にはもちろん、急病人が発生した場合のために医療機器や薬品なども搭載されているのですが、それらを使用できるのは医療従事者のみと決められています。
CAだけで使用することはできないのです。
看護師さんの援助で
なんとこのときは、すぐ近くの席に看護師の女性がいらして、すぐにボランティアでギャレーまでヘルプにきてくださいました。本当に助かりました!
呼びかけにも応じることができずにぐったりしていた女性。
幸いなことにこの女性はこのあと、けっこう早いタイミングで無事に意識も戻り、とくに深刻な状況ではないようで私たちCAもひと安心でした。このまま意識が戻らなかったら!本当にどうしようかと内心ヒヤヒヤでした。
貧血の場合は足を高くして、楽な姿勢でしばらく横になるのがいちばんなので、それを実践してみたり。その後、会話もできる状態にまで回復。
最後にはご自身で歩いて飛行機を降りて行かれました。よかったです!
この方もとくに持病もないが、やはり寝不足でちょっと疲れ気味だったとのこと。
倒れてしまった方のほとんどが、目的地に到着する頃には回復されて、ことなきを得るという印象ですね。
この女性もやはり、こんな事態になってしまった自分にいちばん驚いていらっしゃる、そんなご様子でした。
この方のようなケースは、本当に機内でよく起こるパターンなのです。
もし回復しなかったら?
もし、意識が戻らなかったり、深刻な状況の場合には最寄りの空港に緊急着陸ということもあり得ます。
もしくは目的地の空港に救急車を事前に手配しておき、到着後に救急隊員の方に引き継ぐことになります。
私は過去に最悪の事態も経験したことがあります。本当にこわいです。
ハワイ・ホノルル線は要注意
みんな大好きなハワイですが、ホノルル線は本当に倒れてしまうお客さまが多い路線です。
大きな飛行機だと1フライトで3人、4人と倒れることも普通にありました。各ドアサイドで(倒れてしまい)横になって休んでいるお客さまが存在する、なんて状況も!
理由としては、このような感じです。
- 夕刻に出発するので、日中フルで活動してくる
- 場合によっては仕事帰りで乗ってくる
- 夜なので食事中アルコールを飲む方が多い
- 旅行の準備ですでに疲れ切っている
- 普段飛行機にあまり乗らない客層が多い
などなど
ビジネス路線とは違って、お子さまやご年配のお客さまが多いのもホノルル線の特徴ですね。
楽しい旅行でついつい普段は飲まないアルコールを飲んでしまったり。よくあるパターンです。
CAは慣れている?
たしかにそんなに倒れてしまう方に遭遇したら、場数も踏んで、冷静に対処できるようになっていくCAたちですが、私もはじめは恐怖におののいて固まってしまったものです。
はじめて倒れた人に遭遇した新人CAはたいてい、自分では動けずに硬直してしまっています。
そりゃ、目の前で人が突然倒れたらおそろしいですよね。
こうしてCAは精神的にもどんどん鍛えられていくのです。
今でもパッと見は冷静に対処している風を装っている私Cocoですが、内心は心臓バクバクです!
予防策
機内で具合が悪くなったりしないためにできる予防策は、本当に当たり前のことばかりです。
- 睡眠をたくさんとる
- 楽な服装を心がける(締めつけはよくありません)
- できれば空腹は避ける
- お酒は控える
前述のように、ホノルル線でもアルコールを飲んで倒れる方がほとんどでした。
無料で飲み放題!なのをいいことに、くれぐれも飲み過ぎないように。機内での飲酒はほどほどにしましょう。
私自身も昔まだお酒を飲んでいた時代に、旅行の際は機内でのお酒をめっちゃ楽しみにしていたので気持ちはわかるのですが…。かなり危険行為です!
そう、ここでも気圧の関係で機内は酔いやすいのでしたよね。
そしてちょっとおかしいな、と感じたらすぐにコールベルなどでCAに助けを求めましょう。早めの対策が重要です。
トイレに行く際は要注意
座席にずっと座っていて、急に席を立つときが要注意です。
みなさんずっとおやすみになっていて、ふと目覚めたタイミングで「ちょっと化粧室まで」と思い、席を立つタイミングで倒れてしまう場合がほとんどです。
ふらっときて、どこかに頭でもぶつけたら大変です!
あなたにも起こりうる
「まさか自分が!」というのが機内で倒れてしまった方の共通した感想です。
「自分は貧血持ちではないし、大丈夫」と過信して、あとで後悔しないように、くれぐれも無理をしないように気をつけてくださいね。
さいごに
最後にこの記事のまとめです。
- 機内は特殊な環境である
- 機内で倒れる人は珍しくない
- だれにでも起こりうる
- 自分を過信しない
- 飛行機に乗るときは無理をしない
- 機内でトイレに立つ際は要注意
- 具合が悪いと感じたらすぐにCAを呼ぶ
いかがでしたでしょうか?
機内で倒れる方は本当に珍しくありません。
空の上の環境は普通とは違う、このことを忘れずに!皆さまどうぞ快適な空の旅をお楽しみください。
それでは、また♡
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