こんにちは、パフォーマンスラブリーのCoco(@performancelovely)です。
いまさらですが初夢のお話しです。
多分、このタイミングが初夢と呼ばれるものだったと思うのですが、うなされるような内容だったかもです。
どんな夢だったかというと・・・
詳細は忘れましたが、どうしてもご協力いただけないお客さまがいらして、同僚のCA(キャビンアテンダント)は泣いてしまう始末、そして責任者である私に助けを求めてきてとにかくピンチ!
こんなストーリーでした。
この夢では、出発空港に引き返します!という流れになり、動揺しまくりながらも平静を保っている演技をしなければならない自分に泣きそうになっていました。
いやいや、リアルでしたね(汗
それはさておき、この記事ではよく聞く航空用語である、
- ダイバート(ダイバージョン)
- エアターンバック
- グランドターンバック
これらについて、この機会に解説してみたいと思います。
- CAのプレッシャーについて
- 飛行機のイレギュラーについて(ダイバート・エアターンバック・グランドターンバック)
それではさっそく見ていきましょう。
潜在意識でのプレッシャーがいかに大きいか
今回がはじめてではないと記憶していますが、このような夢にうなされるということは、いかに普段から自分がかなりのプレッシャーを感じながら乗務をしているか、ということの現れですよね。
やはり何かあったときに自分が舵取りをしなければならない!という責任は重荷であることは間違いないです。
後頭部に10円ハゲならぬ、1円玉くらいのハゲがあるのはきっとこのプレッシャーのせいですね。
そして当たり前ですが飛行機というのはいちど飛び立ったら、空を飛んでいるわけですから、なかなか普通ではないシチュエーションですよね。
ハゲもできるというわけです(泣
もちろん、その飛行機の最終的な責任者は機長なのですが、客室内での出来事に対処できるのはやはりCAということになります。
キャプテンが操縦中に操縦室から出てくる!なんてもちろん不可能ですので、現実的にはCAである私たちでなんとか対処する必要があります。
これは今にわかったことではないので、自分なりに知識を入れて、経験を重ねて乗り切っていくしか方法はないのです。
このプレッシャーの話はさておき、飛行機でフライト中に何かイレギュラーが起こった場合、その先のシナリオをいくつか解説してみたいと思います。
飛行機でトラブル発生後のシナリオ
飛行機が駐機場から出発したあとトラブルが発生した場合には、そのあと3つのパターンが考えられます。
ダイバート(DVT)
ダーバードではなくダイバートです。
ダイバートとは目的地以外の空港に着陸することをいいます。
英語のDiversion(ダイバージョン)からきています。略してDVTと記載したりします。
理由はさまざまあります。
- 目的地の天候が悪くて着陸できない場合
- 目的地の空港で滑走路閉鎖などのトラブルが発生した場合
- 急病人が発生して最寄りの空港に着陸しなければならない場合
- 飛行機の燃料が不足してしまい、目的地まで持たない場合などなど
先日、ピーチ・アビエーションの機内で、マスク着用でもめた旅客に降りていただくために、新潟空港に着陸したケースはこのダイバートになりますね。
この件については別記事の
「航空機でのマスク未着用[搭乗拒否]騒動について現役CAが緊急解説!」
で触れておりますので、ご興味ある方はこちらもご覧ください。
ダイバートを決定した場合、就航していない空港に着陸してしまうと、そのあとのハンドリングがかなりやっかいで時間もかかるため、可能な限り就航地の空港にダイバートします。
ピーチのケースも新潟空港に就航していたので新潟に降りたというわけです。
でも、一刻を争うような、本当の緊急事態の場合にはこの限りではありません。
ちなみに成田空港は立地条件の影響で、強風が吹き荒れることが多々あり、そのため多くの飛行機が着陸できずに目的地を別の空港に変更してダイバートというケースがよくあります。
毎年3月くらいに春の嵐と呼ばれる強風が吹く日があり、もう台風並みだといいます。
台風だけではなく、春先に吹き荒れる強風にも注意が必要です。
春一番なんてかわいいものではない!
この時期はパイロット泣かせの天候が多々あるのです。
エアターンバック(ATB)
エアターンバックとは飛行機が飛び立ってから、出発した空港に引き返すことを言います。
エアターンバック(Air Turn Back)なので頭文字をとってATBと言ったりします。
例えば、飛行機が離陸して飛び立った直後に、なんらかのシステムトラブルや計器のトラブルが発生した場合、出発した空港に引き返すということになります。
- 離陸後に飛行機になんらかの異常が発生した場合
- 離陸後になんらかのお客様トラブルが発生して、そのお客様を降ろさなければならない場合
- 目的地の空港の天候が出発後、急に悪くなった場合など
ダイバートとほとんどかぶる内容ですが、離陸して間も無くであれば出発空港に引き返せる、ということになります。
しかしこの辺は搭載している燃料がどのくらいなのか、またフライトのどのタイミングなのかなど、複雑な要因が絡み合ってケースバイケースで変わってきます。
例えば、目的地の天候が悪い場合には出発前にあらかじめ、「出発空港に引き返す可能性があります」というアナウンスがあり、いわゆる条件付き運航となります。
キャンセルになるほどではないけれど、本当に行ってみないとわからない、そんなエアラインスタッフ泣かせの天候の場合がこのケースですね。
グランドターンバック(GTB)
グランドターンバックは、駐機場からいったん出発した飛行機が、離陸する前に再び駐機場(空港ターミナル)に引き返すことを言います。
エアとグランドの違いですね。
グランドターンバック(Ground Turn Back)なので頭文字をとってGTBと言ったりします。
- 飛行機が駐機場から出発後、離陸前にシステムや計器のトラブルなど、なんらかの異常が発見された場合
- 飛行機が駐機場から出発後、離陸前になんらかの理由でその飛行機を降りて頂かなければならないお客様が発生した場合などなど
エアターンバックもグランドターンバックも出発空港に引き返す、という点は一緒なのですが、どのタイミングでトラブルが発生するかでだいぶ変わってくる、ということです。
まだ飛び立つ前(離陸前)の方が概してダメージは少ないということになります。

その後の遅れは避けられない
ダイバートもエアターンバックもグランドターンバックも、いずれのケースも遅れてしまうのは避けられないし、場合によってはその後、便がキャンセルになってしまうこともあります。
私自身も、どのケースも経験したことがありますが、その際のプレッシャーは計り知れないです。
本当に内心、泣きそうになります。
しかしここは、CAが動揺を見せてしまったらはじまらないので、強い意思を持って立ちまわるように努めます。
機内で対応する私たちももちろんですが、地上でハンドリングをされている方々も、イレギュラーで飛行機が戻ってきてしまったら大変です。
飛行機というのは本当にエアラインスタッフみんなの力があってこそ、やっと安全に飛び立てるものなのです。
さいごに
イレギュラーは起こらないこ越したことはないですが、やはり避けられないものでもあります。
私の場合、自称「イレギュラーにあまり当たらない人」ということになっています(笑
当たる人は本当にイレギュラーばかりに当たる、これは本当です。
「自分でそう思っているというのもいいことかもね」と、あるキャプテンから言われたこともあります。
実際に、人と比べてそんなにイレギュラーに当たる方ではないと思うのですが、自分でそう思い込むというのも重要なのではないか、と。
マインドコントロール的な。
そう、思った通りに人生はなるのです。
話がそれましたが、今後も常にハッピーフライトでイレギュラーの少ない人というキャラで行きたいと思います。
お客様を安全に目的地までお連れする!
これが航空会社の使命ですから。
リアルな夢にうなされてしまった年明けでしたが、逆夢という言葉もありますので(悪い夢こそいい夢!)前向きにとらえて、2021年も邁進していきたいです。
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